.csv ファイル内の集計 HSF データの分析

統計ユーティリティ プログラムの casfhsf を使用すると、Historical Statistics Facility (HSF) によって作成された .csv ファイルから集計データを出力できます。casfhsf では、このデータがカンマ区切り値ファイルとして出力されます。

その情報を使用してシステムのパフォーマンスを定期的に確認すれば、補正的な調整措置が必要かどうかを判断するために大量のデータを調べなくても済みます。

注: .csv ファイルは、casfhsf を実行したプラットフォームとは別のプラットフォームでも生成できます。

casfhsf 統計ユーティリティ プログラムの使用

Enterprise Developer command promptから、環境に応じて casfhsf.exe(Windows) または casfhsf32 または casfhsf64 を起動します。(UNIX)

次のスイッチが用意されています。スラッシュの代わりにダッシュを使用することもできます。また、スイッチは大文字または小文字にできます。

[Switch] 説明
/A cashsf-a.csv だけを処理します。
/B cashsf-b.csv だけを処理します。
/C cashsf-a.csv および cashsf-b.csv の両方を処理します (デフォルト)。
/D バックアップ ファイルの cashsf.nnn だけを処理します。
/E すべてのファイル(cashsf-a.csvcashsf-b.csv、および cashsf.nnn) を処理します。
/S{sd,st,ed,et} 出力データを秒単位で集計します。{sd,st,ed,et} = yyyymmdd、hhmmss、yyyymmdd、hhmmss - 開始日、開始時刻、終了日、終了時刻。
/M{sd,st,ed,et} 出力データを分単位で集計します (エラーの場合はデフォルト)。{sd,st,ed,et} = yyyymmdd、hhmm、yyyymmdd、hhmm - 開始日、開始時刻、終了日、終了時刻。
/IP 入力ファイルの場所。デフォルト値は現在のディレクトリです。
/OP 出力ファイルのパスの場所。デフォルト値は現在のディレクトリです。

出力ファイルは OutFile.csv と呼ばれます。

特定のトランザクションまたはプログラムを集計するには、次の形式のパラメーターを使用してそれらのトランザクションまたはプログラムを指定します。

{type},{id}[[,{type},{id}]...]
パラメーターは次のとおりです。
type
トランザクション タイプ:
  • CICS = CICS トランザクション
  • IMS = IMS トランザクション
  • JCL = JCL バッチ ジョブ
  • WEB = Web サービス
注: JCLF レコードは集計処理の対象になりません。
id
集計されるトランザクション、ジョブ、サービス、またはプログラム ID の識別子。id が「Auto」の場合、これは CICS 自動インストール トランザクション (x'feffffff') のエイリアスです。

0 ~ 5 個の type,id ペアを指定できます。各 type とそれに対応する id はカンマで区切る必要があります。複数のペアを指定する場合は、各ペアをカンマで区切ってください。

ペアを指定しなかった場合は、すべてのトランザクションの集計が最初の未割り当てスロットで累積されます。この場合のデフォルト動作では、すべてのデータがスロット 1 で集計されます。

extfh.cfg ファイルは、大きなファイル入力を許容するために現在のディレクトリで生成されます (このファイルがまだ存在しない場合)。

スイッチまたはパラメーターを指定しなかった場合、ユーティリティはデフォルト値の使用を続行するかどうかをユーザーに尋ねます。

(Windows)
casfhsf /a /s /ipc:\es\region2\system CICS,ABCD,CICS,WXYZ 
このコマンドは、c:\es\region2\system ディレクトリ内の cashsf-a.csv を処理し、CICS トランザクション ABCD および WXYZ について別々に時間 (秒単位) を集計します。
(Windows)
casfhsf /op"c:\Users\All Users\Micro Focus"
このコマンドは、入力のデフォルトを使用して、現在のディレクトリ内の cashsf-a.csvcashsf-b.csv の両方を処理し、すべてのトランザクションおよびプログラムについて分単位で時間を集計して、c:\Users\All Users\Micro Focus フォルダーに出力ファイルを作成します。
(UNIX)
casfhsf32 /a /s /ipc:$COBDIR/../mfcobol/es/region2 CICS,ABCD,CICS,WXYZ 
このコマンドは、$COBDIR/../mfcobol/es/region2 ディレクトリ内の cashsf-a.csv を処理し、CICS トランザクション ABCD および WXYZ について別々に秒単位で時間を集計します。
(UNIX)
casfhsf32 /op"/opt/Micro Focus/logs"
このコマンドは、入力のデフォルトを使用して、現在のディレクトリ内の cashsf-a.csvcashsf-b.csv の両方を処理し、すべてのトランザクションおよびプログラムについて時間 (分単位) を集計して、/opt/Micro Focus/logs フォルダーに出力ファイルを作成します。

出力ファイル

これは、次のヘッダーを備えたカンマ区切り値ファイルです。
time,TPS,Latency,min,max,Response,min,max,System,min,max,API,min,max,SQL,min,max,IMS,min,max...
time フィールドの後に残りのフィールドが 5 回続きます。
フィールド 説明
time 入力監視時間が集計される分単位 (hh:mm フォーマット) または秒単位 (hh:mm:ss フォーマット) の期間。フォーマットは、/S または /M スイッチによって決まります。
TPS 1 秒または 1 分当たりの平均トランザクション数
Latency,min,max この期間の平均待ち時間 (遅延または待機時間)、および最小待ち時間と最大待ち時間
Response,min,max Enterprise Server がトランザクション要求に応答するのにかかった平均時間、および最小応答時間と最大応答時間
System,min,max 平均待ち時間と平均応答時間の合計 (Latency + Response)、および特定のトランザクション実行の待ち時間と応答時間の合計の最小値と最大値
API,min,max このタスクに CICS API (EXEC CICS 文) でかかった平均時間 (100 分の 1 秒単位)、および最小時間と最大時間
SQL,min,max このタスクに SQL API (EXEC SQL 文) でかかった平均時間 (100 分の 1 秒単位)、および最小時間と最大時間
IMS,min,max このタスクに IMS DL/I API でかかった平均時間 (100 分の 1 秒単位)、および最小時間と最大時間

ユーティリティに供給したパラメーターによっては、第 2 のヘッダーも存在します。

パラメーターがない場合は、すべての集計値が「Everything」の下で累積され、他の 4 つの列は「Unused」としてマークされます。

入力ファイルのバージョン

このバージョンの製品では、次の行で始まる cashsf-n.csv ファイルが生成されます。
#HSFVer=03;Custom=xx;CicsFiles=xx;TSQ=xx;TDQ=xx

xx は、ES_HSF_CFG 環境変数で指定した各種類のフィールド数に対応します。

以前のバージョンの製品の HSF 出力は、この行を含まないか、この行で始まらないことがあります。
#HSFVer=01 or 02

複数のファイルを処理する場合、casfhsf は受け取った最初のファイルと同じバージョンのファイルからのみデータを集計します。他のバージョンは無視されます。ただし、いずれのバージョンを処理する場合も、出力ファイル OutFile.csv には上記のすべてのフィールドが含まれ、存在しないフィールドの値は 0 になります。

  1. 入力ファイル cashsf-a.csv は、CICS リージョンの短い実行中に作成されました。
  2. 次のコマンドは、入力ファイルが含まれているディレクトリで実行されました。
    casfhsf /a /m CICS,ACCT

    このコマンドは、現在のディレクトリで cashsf-a.csv を処理し、出力ファイルを現在のディレクトリに配置して、分単位で時間を集計します。

  3. 出力ファイル OutFile.csv が作成されます。次の図は、その内容を Microsoft Excel で表示したものです。

    たとえば、CICS トランザクション ACCT について 13 時 45 分に集計された統計は次のとおりです。
    • 1 秒あたりのトランザクション数は 0.08
    • 平均待ち時間は 10 ミリ秒
    • 平均応答時間は 10 ミリ秒
    • 合計 (システム) 応答時間は 20 ミリ秒