ユーザー名置換

MLDAP ESM モジュールのバージョン 2 (Enterprise Server 2.3、および Enterprise Server 2.2 Update 2 用の一部の Hotfix で入手可能) からは、アクセス権を要求しているユーザーの名前に基づいて「resource-rule」の名前を定義することもできます。これにより、リソース名にユーザーの名前が含まれているリソースに適用する、一般規則を作成できます。一般的に、これは DATASET クラスおよび JESSPOOL クラスでの規則のために使用され、ユーザーに、自身の名前が修飾子として含まれているリソースへのアクセス権を与えます。

この機能を使用する手順は、次のとおりです。
  • 新しい規則照合アルゴリズムが定義されている MLDAP ESM モジュール バージョン 2 を使用している必要があります。これは、Enterprise Server 2.3 ではデフォルトとなっています。Enterprise Server 2.2 Update 2 Hotfix 7 以降では、セキュリティ マネージャー構成[Operation] セクションで Version 1 authentication=no に設定することで、新しいアルゴリズムを有効にする必要があります。
  • セキュリティ マネージャー構成領域の [Operation] セクションで、Rule substitutions=yes に設定します。
  • 要求ユーザーの名前に置換するリソース アクセス規則名において、トークン ${user} を使用します (たとえば、USER.${user}.**)。前記の規則の場合、ACL では、規則はそのユーザーの名前が含まれているリソースにのみ有効であるため、アクター名としては単に * と指定するのみで構いません。
  • トークン ${user_long} はユーザーの長い名前に置き換えられます。「長いユーザー名およびパスワード」を参照してください。

規則の優先順位を決定する際には、ユーザー名置換を使用する規則は、ユーザーの名前が規則内でそのまま現れている場合と同じ順位となります。データセット名においてユーザーの名前が 2 番目の修飾子として現れる場合は、USER.${user}.** のような規則は USER.*.** という名前の規則より優先されます。

ユーザー名置換を有効にするための構成

[Operation]
Version 1 authentication=no
Rule substitutions=yes

Version 1 authentication の行は、Enterprise Server 2.3 以降では必要ありません (ただし、使用可能)。

ユーザー名置換を使用するデータセット規則

各ユーザーに USER.** の下のユーザー固有データセットへのアクセス権を与えるが、他のユーザーからのそれらへのアクセスは拒否するという一組の規則のための LDIF 構文:

dn: CN=USER.${user}.**,CN=DATASET,CN=Enterprise Server Resources,CN=Micro Focus,CN=Program Data,DC=X
changetype: add
objectClass: microfocus-MFDS-Resource
microfocus-MFDS-Resource-Class: DATASET
microfocus-MFDS-Resource-ACE: allow:*:alter
microfocus-MFDS-UID: USER.${user}.**
description: Allow full access to user's own area

dn: CN=USER.**,CN=DATASET,CN=Enterprise Server Resources,CN=Micro Focus,CN=Program Data,DC=X
changetype: add
objectClass: microfocus-MFDS-Resource
microfocus-MFDS-Resource-Class: DATASET
microfocus-MFDS-Resource-ACE: allow:*:none
microfocus-MFDS-UID: USER.**
description: Users don't have access to each other's areas

ユーザーにユーザー固有スプール出力へのアクセス権を与えるための規則

各ユーザーがユーザー固有スプール出力を制御できるようにする規則のための LDIF 構文:

dn: CN=*.${user}.**,CN=JESSPOOL,CN=Enterprise Server Resources,CN=Micro Focus,CN=Program Data,DC=X
changetype: add
objectClass: microfocus-MFDS-Resource
microfocus-MFDS-Resource-Class: JESSPOOL
microfocus-MFDS-Resource-ACE: allow:*:control
microfocus-MFDS-UID: *.${user}.**
description: Give each user control over their own spool output

JESSPOOL クラスでは、リソースの形式は localnodeid.userid.jobname.jobid.dsnumber.name となります。この規則は、要求ユーザーの名前が userid 修飾子として現れる場合に一致し、そのユーザーに制御権限を与えます。