選択的監査

選択的監査は、特定のユーザー、グループ、リソース、またはトランザクションについての監査イベントのみを発行するように構成するメカニズムです。現在、これは MLDAP ESM モジュールでのみサポートされています。

有効にすると、ほとんどの監査イベントが発行されなくなります。対象となるエンティティの監査属性の値が TRUE に設定されている場合のみ、イベントが発行されます。

注: 起動や終了などの一部のシステム監査イベント、およびその他の一部のイベントについては、常に発行されます。

新しい選択的監査機能を使用するには、新しい属性の「microfocus-MFDS-Audit」が必要です。これは、ユーザー、ユーザー グループ、およびリソースのオブジェクト クラスに対するオプションの属性です。すでに既存の LDAP リポジトリが存在する場合、Micro Focus 拡張がインストールされています。詳細については、「LDAP スキーマへの監査属性の追加」を参照してください。

次に、それぞれの要求について、どのエンティティが調査の対象になるかを示します。現時点では、監査される要求は Verify および Auth/XAuth のみです。

対象となるエンティティ - Verify

Verify 要求で対象となるエンティティは、ユーザーおよびサインオン グループです。最初にユーザーがチェックされます。つまり、グループの監査属性の値は調べる必要がない場合もあります。これにより、必要な MLDAP 検索が少なくなります。

All Groups モードが有効な場合、ユーザーが属しているすべてのグループの監査属性の値がチェックされます。これにより、ユーザーのサインオン時のパフォーマンスが低下する可能性があります。いずれかのグループに監査プロパティが設定されていれば、Verify 要求が監査されます。

対象となるエンティティ - Auth/XAuth

Auth/XAuth 要求で対象となるエントリは、ユーザー、サインオン グループまたはユーザーのグループのセット (All Groups モードが有効な場合)、アクセス対象のリソース、およびトランザクションです。ユーザーおよびグループの監査属性の値は、この時点ではチェックされません。それらについては、ACEE に記録されている Verify 要求の結果が使用されます。次にリソースがチェックされ、リソースに監査プロパティが設定されていなければトランザクションがチェックされます。

注: トランザクションは、リージョンでデフォルトのトランザクション クラスである TCICSTRN を使用しており、呼び出し元サブシステムの要求でトランザクション名を設定している場合にのみチェックされます。

実行中のリージョンでの監査の有効化/無効化

esfupdate コマンド ライン ユーティリティを使用して、システムにある ACEE を更新できます。ユーザーまたはグループのいずれかを更新すると、関連するすべての ACEE の監査ステータスが更新されます。

注: esfupdate によるグループの更新では、ユーザーの監査をオンにすることはできますが、オフにすることはできません。ユーザーを監査する必要がなくなった場合は、ユーザーの監査プロパティをそのサインオン グループとともに無効にし、ユーザーの更新を行います。この手順は、ユーザーおよびサインオン グループに対してのみ有効です。All Groups モードが有効で、監査対象グループのメンバーシップによってユーザーの監査フラグが設定されている場合、リージョンの実行中に特定のユーザーの監査フラグをリセットすることはできません。