castran

CICS トランザクションまたはバッチ プログラム (制限付き機能) に関する情報を検索または更新します。主な用途はトランザクションを有効または無効にすることですが、このコマンドを使用して TWA サイズやタイムアウト値などの他の値を変更したり、トランザクションのステータスを表示したりすることもできます。また、PPT で定義されている CICS プログラムに対する PHASEIN または NEWCOPY を実行することもできます。

NEWCOPY オプションを使用すると、指定したプログラムが現在使用中でない場合にのみ、そのプログラムの新しいコピーがロードされます。それ以外の場合は失敗します。PHASEIN オプションを使用すると、そのプログラムが現在実行中であっても新しいコピーがロードされます。その場合、以前にロードされたコピーは、使用されなくなるまで存続します。再ロード後に発生する要求では、新しいコピーが必ず使用されます。

注: castran は、それを呼び出す単純な COBOL プログラムを記述することにより、JCL 内から起動することもできます。

構文:

castran [/res-name] [/mprototype:host:WebServiceport] [/fserver-name]
    [/ttrans-id]
    [/e{e|d}]
    [/s{y|n|a}]
    [/g{y|n}]
    [/j{d|a}]
    [/d{y|n}]
    [/loutput-log]
    [/wTWA-size]
    [/qinput-timeout]
    [/xrunaway-timeout]
    [/ydeadlock-timeout]
    [/pprogram-name]
    [/nprogram-name]
    [/vbatch-program-name]
    [/uuserid]
    [/apassword]
    [/cgroup]

コマンド ファイルから複数のコマンドを発行する場合の構文:

castran [/res-name] [/mprototype:host:WebServiceport] [/fserver-name] /iinput-script-file

パラメーター:

/res-name
接続先のエンタープライズ サーバーの名前。デフォルトでは ESDEMO に設定されます。
注: このユーティリティを JCL または Web サービスから呼び出す場合 (つまり、このユーティリティを SEP 内で実行している場合) は、/r オプションを使用してサーバーに接続することはできません。その場合は、/m または /f オプションを使用してサーバーに接続する必要があります。
または
/mprototype:host:WebServiceport
接続先となるエンタープライズ サーバーの Web サービスおよび J2EE リスナーの場所。たとえば、/mtcp:localhost:9003。
または
/fserver-name
接続先のエンタープライズ サーバーの名前。ルックアップを実行してエンタープライズ サーバーの Web サービスを特定するという点で、これは /r オプションと異なります。
[-iinput-script-file]
実行するコマンドのリストが保存される入力スクリプト ファイル。スクリプト ファイルでは、コメント行の列 1 は # でなければなりません。
[-ttrans-id]
4 バイトのトランザクション ID。
[-e{e|d}]
指定したトランザクションの Enable ステータスを設定します。
設定 説明
e または値なし 有効化
d 無効化
[-s{y|n|a}]
指定したトランザクションの完全なトランザクション ステータスを出力します。
設定 説明
y または値なし 表示
n 非表示
a /t オプションで指定したトランザクション ID に関係なく、PCT 内のすべてのトランザクションの詳細を表示します。
[-g{y|n}]
指定したトランザクションの Upper Case Translation ステータスを設定します。
設定 説明
y または値なし 大文字変換
n 大文字変換なし
[-j{d|a}]
指定したトランザクションの Screen ステータスを設定します。
設定 説明
d または値なし デフォルト
a 代替
[-d{y|n}]
指定したトランザクションの Transaction Dump ステータスを設定します。
設定 説明
y トランザクション ダンプ
n または値なし トランザクション ダンプなし
[-loutput-log]
コマンドからの出力が書き込まれるファイル。デフォルトの書き込み先は、標準出力です。
[-wTWA-size]
指定したトランザクションの TWA Size {0..32767} を設定します。
[-qinput-timeout]
指定したトランザクションの Input Timeout を設定します。
設定 説明
s または値なし システムのデフォルト
0..408000 100 分の 1 秒単位のタイムアウト値
[-xrunaway-timeout]
指定したトランザクションの Runaway Timeout を設定します。
設定 説明
s または値なし システムのデフォルト
100..270000 100 分の 1 秒単位のタイムアウト値
[-ydeadlock-timeout]
指定したトランザクションの Deadlock Timeout を設定します。
設定 説明
s または値なし システムのデフォルト
0..408000 100 分の 1 秒単位のタイムアウト値
[-pprogram-name]
指定したプログラムに対する PHASEIN を発行します。これは /t オプションで指定したトランザクション ID とは無関係であることに注意してください。
[-nprogram-name]
指定したプログラムに対する NEWCOPY を発行します。これは /t オプションで指定したトランザクション ID とは無関係であることに注意してください。
[-vbatch-program-name]
指定した非 CICS プログラムに対する NEWCOPY を発行します。これは、次回の呼び出し時に最新のコピーがロードされる点で、CICS プログラムに対する CNCL の発行に似ています。
[-uuserid]
認証ユーザー ID
[-apassword]
認証パスワード
[-cgroup]
認証グループ (オプション)
注: /r、/m、/f オプションは、接続先となるエンタープライズ サーバーを識別するための代替方法です。

戻りコード:

0 成功
4 無効フラグ/重複フラグ
12 トランザクション ID が PCT で見つからない / プログラムが PPT で見つからない / 無効なユーザー ID またはパスワード
15 リージョンが実行されていない / 無効なコマンド

依存関係:

castran コマンドを発行する前に、エンタープライズ サーバーを起動しておく必要があります。

説明:

同じパラメーター タイプを複数指定した場合は、最初に指定したものだけが使用されます。それ以外はすべて無視されます。

TWA サイズやタイムアウト オプションが最大値を超えている場合は、最大値に設定されます。

スラッシュ (/) の代わりにダッシュ (-) を使用してコマンド オプションを示すことができます。

スクリプト ファイルの各行には、トランザクション ID またはプログラム名が含まれている必要がありますが (コメントを除く)、リージョン名を含めることはできません。つまり、スクリプト ファイル内のコマンドは、すべて 1 つのリージョンに関係しており、そのリージョンは、castran の最初の呼び出しで指定されます。パスまたはファイル名にスペースが含まれている場合は、そのパスまたはファイル名を引用符で囲む必要があります。次に例を示します。

castran /rESDEMO /i"c:\input scripts\my script.txt"

セキュリティが有効化されている Enterprise Server で castran を使用するには、すべてのリソース定義が最新のものであることを確認する必要があります。これを行うには、次のコマンドを発行します。

caspcupg /r<server name> /dp=<dfhdrdat path>

例:

ESDEMO というリージョンで、ACCT という CICS トランザクションを無効にしてそのステータスを表示する場合:

castran /rESDEMO /tACCT /ed /sy

セキュリティで保護されているリージョンで、ACCT の TWA サイズを変更し、大文字変換をオフにする場合:

castran /rESDEMO /uSYSAD /aSYSAD /w255 /gn /tACCT

入力スクリプトを使用して複数の操作を実行する場合:

castran /rESDEMO /imultiple_cmds.txt

multiple_cmds.txt には次の行が含まれています。

# multiple castran commands
/tACCT /ed 
/tAC01 /ee /ja 
/nACCT00