Zeroload 関数

データベース データ ファイルを作成し使用できるように準備します。

Zeroload 関数は、データベース データ ファイルを作成し、それらのファイルを使用するための準備をします。データベース データ ファイルには、データベースのセグメント データおよびポインターが含まれます。アプリケーションでデータベースに対する呼び出しを発行できるようにするには、そのデータベースを事前にゼロロードする必要があります。自動ゼロロードは、IMSDBU Load 関数によってデータのロード前に実行されます。ゼロロードは、スタンドアロンの Zeroload ユーティリティまたは DBUTIL によって実行することもできます。

警告: 既存のデータベースをゼロロードすると、そのデータベースは再初期化され、データはすべて失われます。

構文 - コマンド ライン

mfims imsdbu ZERO {database-name|filename}
     [[NO]CLS] 
     [ECHO(keyword,msglvl,stoplvl
     [[NO]INI(filespec)]
     [[NO]LIST(filespec)]
     [LISTOPEN(disp)]
     [[NO]LOG(filespec)]
     [PROGRESS(no-of-segments)]

構文 - JCL

ZERO     EXEC PGM=MFDBUJCL,PARM='ZEROLOAD,database-name'
//SYSOUT     DD SYSOUT=* 

パラメーター - コマンド ライン

database-name
関数の実行対象のデータベースの名前。
filename
関数の実行対象のデータベースのリストを含むファイルの名前。
CLS 指令 (共通)
ユーティリティの起動前に画面をクリアします。NOCLS を指定すると、画面の初期クリアは行われません。NOCLS は、コマンド ファイルで一連のユーティリティを実行している場合に役立ちます。
デフォルト: NOCLS
ECHO
IMSDBU が表示するメッセージの表示、およびそれらのメッセージとの対話を制御します。
デフォルト: ECHO(MSGS,4,8)
サブパラメーター
keyword 表示される情報のカテゴリ。次のいずれかを指定します。
ALL
処理メッセージ、入力ソースまたは詳細情報、および終了メッセージを常に表示します。メッセージ レベルが msglvl および stoplvl 値以上の場合は、警告およびエラー メッセージが表示され、ユーザー入力を求めて停止します。
MSGS
処理メッセージおよび終了メッセージを常に表示します。ソースや詳細情報は表示されません。メッセージ レベルが msglvl および stoplvl 値以上の場合は、警告およびエラー メッセージが表示され、ユーザー入力を求めて停止します。
ERREND
ユーティリティ終了メッセージを常に表示します。メッセージ レベルが msglvl および stoplvl 値以上の場合は、警告およびエラー メッセージが表示され、ユーザー入力を求めて停止します。
ENDMSG
ユーティリティ終了戻りコードが msglvl 以上の場合のみ終了メッセージを表示します。ユーティリティ終了戻りコードが stoplvl 以上の場合は、「Press any key to continue」というメッセージが表示され、入力を求めて停止します。すべての終了メッセージで表示または停止、あるいはその両方を行うには、msglvl または stoplvl (あるいはその両方) の値としてゼロを入力します。
COND
警告またはエラー メッセージ、および終了メッセージは、どちらも msglvl および stoplvl 値を条件としています。メッセージ レベルが msglvl および stoplvl 値以上の場合は、警告およびエラー メッセージが表示され、ユーザー入力を求めて停止します。終了戻りコードが msglvl 以上の場合は、終了メッセージが表示されます。ユーティリティ終了戻りコードが stoplvl 以上の場合は、入力を求める「Press any key to continue」というメッセージが表示されます。
ERRORS
メッセージ レベルが msglvl および stoplvl 以上の場合は、入力を求める警告およびエラー メッセージが表示されます。終了メッセージは表示されません。
msglvl 表示するメッセージの重大度を示す 4 から 20 までの値。1
stoplvl ユーザー入力を求めて停止するメッセージの重大度を示す 4 から 20 までの値。1
1 次の値を指定できます。
カテゴリ 原因例
4 一般的な警告メッセージ DBDGEN が想定して続行できる DBD ソース内のマイナーなコーディング エラー
6 IMS 固有の警告メッセージ キーワードまたは文がサポート対象外で無視されるという警告 (処理は続行可能)
8 一般的な重大エラー 補正できない DBD ソース内の無効なコーディング (「no DBD statement」など)
10 IMS Option 固有の重大エラー 補正できないサポート対象外の機能が定義されている (「Exceeded some maximum」など)
12 重大エラー - 起こりうる一時的な状態 一時的な入出力エラー (「file locked」または「database locked」状態など)
16 重大エラー - 永続的 - インストールの問題の可能性 永続的な入出力エラー (無効なデータ セット名やメンバー名がユーティリティに入力された場合や、環境変数が正しく設定されていない場合など)
20 重大エラー - 永続的 回復不能な入出力エラーまたは他の予期しないエラー
INI
デフォルトの指令ファイルを指定します。
デフォルト: なし
サブパラメーター
filespec IMSDBU プログラム デフォルトをオーバーライドする指令を含む .INI ファイルの名前および場所。
構文規則
  1. filespec には、必要に応じてドライブまたはディレクトリ (あるいはその両方) を含められます。ドライブやディレクトリを指定しない場合、IMSDBU は指定された .INI ファイルを現在のディレクトリで検索します。
  2. .INI ファイルにリストされた指令は、IMSDBU プログラム デフォルトをオーバーライドします。
  3. コマンド ラインまたは対話式画面で入力された指令は、.INI ファイル内の指令をオーバーライドします。
  4. NOINI を指定すると、.INI ファイルによるプログラム デフォルトのオーバーライドは行われません。
  5. 指定した .INI ファイルが存在しない場合は、NOINI を指定した場合と同様にプログラム デフォルトの指令が使用されます。
一般規則
  1. .INI ファイルは ASCII テキスト形式のファイルで、見出し [IMSDBU] を行 1 に含み、列 1 から始まり、1 行に 1 つの指令が含まれる mfims imsdbu 指令のリストが続きます。行は改行またはファイルの末尾で終了します。コメント行は、列 1 にアスタリスク (*) またはセミコロン (;) があることで示されます。次に例を示します。
    [IMSDBU]
    PROGRESS(1000)
    ;use local log
    LOG(C:\MYDIR\MYDB.LOG)
LIST
詳細リスティング ファイルの場所および名前を制御します。リスティング ファイルには、ソース リスティング、完了状態、エラー メッセージ、実行統計などの項目が含まれます。
デフォルト: LIST(*.LST)
サブパラメーター
filespec リスティング ファイルに使用する名前および場所。
構文規則
  1. filespec には、必要に応じてドライブまたはディレクトリ (あるいはその両方) を含められます。ドライブやディレクトリを指定しない場合、IMDBU は現在のディレクトリにリスティング ファイルを作成します。
  2. NOLIST はリスティング ファイルの作成を抑制します。
  3. パスの指定では、パスを表す環境変数名の冒頭にドル記号 ($) を書く表記法を使用できます。たとえば、LIST($ENVVAR\*.DOC) と記述すると、ENVVAR 環境変数で指定したディレクトリに dbdname.DOC のリスト ファイルが作成されます。
  4. LIST(*.LST) または LIST(*.RPT) を指定すると、プロジェクト リスティング ディレクトリにリスティング ファイルが作成されます。
  5. パスを指定しない場合、リスティング ファイルは現在のディレクトリに作成されます。
  6. filespec のベース名をアスタリスク (*) として指定した場合、そのアスタリスクは DBD 名に置き換えられます。これにより、IMSDBU は、複数のデータベースを操作できる関数の個別レポートを提供できます。また、これは DBD 名による履歴詳細レポートの管理にも役立ちます。
  7. LISTfilespec なしで指定すると、LIST(*.LST) を指定した場合と同じ結果が得られます。
LISTOPEN
詳細リスティング ファイルのオープン ディスポジションを制御します。
デフォルト: LISTOPEN(NEW)
サブパラメーター
disp 使用するディスポジション。次のいずれかになります。
NEW
新しいリスティング ファイルを作成するか、既存のリスティング ファイルを上書きします。
MOD
リスト出力を既存のファイルに追加します。既存のファイルがない場合は、新しいリスティング ファイルを作成します。MOD を指定すると、データベース関数の詳細履歴レコードを管理できます。
構文規則
  1. NOLIST を指定した場合、LISTOPEN は無視されます。
LOG
各関数の終了メッセージ状態を示す IMSDBU アクティビティ ログを指定します。
デフォルト: LOG(IMSDBU.LOG)
サブパラメーター
filespec IMSDBU アクティビティ ログとして使用するファイルの名前および場所。
構文規則
  1. filespec には、必要に応じてドライブまたはディレクトリ (あるいはその両方) を含められます。ドライブやディレクトリを指定しない場合は、現在のディレクトリにリスティング ファイルが作成されます。
  2. NOLOG を指定すると、ログ ファイル出力は抑制されます。
一般規則
  1. ログ ファイルが存在しない場合は作成されます。
  2. ログ ファイルは、ファイルの末尾に書き込まれた最新のエントリを含む履歴ファイルです。
  3. ログ ファイルは時間とともにサイズが大きくなるため、状況に応じて定期的に削除する必要があります。
PROGRESS
進捗レポートの頻度を制御します。
デフォルト: PROGRESS(200)
サブパラメーター
no-of-segments 進捗メッセージを表示する前に処理するセグメントの数を示す 0 から 9999 までの値。0 を指定すると、進捗レポーティングは無効になります。
構文規則
  1. 指定するセグメント数は、デフォルトの 200 より小さくしないことをお勧めします。非常に小さい値を使用すると、データベース関数のパフォーマンスが明確に低下します。
  2. 比較的高速なシステムでは、設定値を高くすると (たとえば 1000 以上にすると)、パフォーマンスが多少向上することがあります。
一般規則
  1. 進捗メッセージには、処理済みのセグメントの数、または完了率および予想残り時間が表示されます。

パラメーター - JCL

database-name
関数の実行対象のデータベースの名前。

入力

Zeroload 関数の入力は、DBDGEN を使用して定義された 1 次物理 DBD の名前です。他の種類のデータベースの場合、ゼロロードは不要であり、実行すべきではありません。

専用データベースはゼロロードが可能です。共有読み取り専用の Remote IMS および User Exit データベースはゼロロードできません。無効な Database Catalog タイプに対してゼロロードを実行しようとすると、エラーが発生します。

次のデータベースをゼロロードしようとすると、エラー メッセージが発行されます。

  • HIDAM データベースの主索引。主索引データベースは必要ありません。MFIMS データベースの .IDX コンポーネントは主索引に相当します。
  • 2 次索引データベース。これらのデータベースによって索引付けされる 1 次データベースをゼロロードすると、これらのデータベースが自動的に作成されます。非一意キーを定義する 2 次索引 DBD は、1 次データベースをゼロロードする前に生成する必要があります。
  • ACCESS=LOGICAL として定義されたデータベース。物理データベースには、論理関係をサポートするために必要なポインターが含まれます。
  • GSAM データベース。GSAM データベースの全詳細については、GSAM のトピックを参照してください。

出力

Zeroload 関数からの出力は、1 次データベースおよび定義済みの 2 次索引に対するデータ ファイルのセットです。ゼロロードされたデータベースに対しては、任意のデータベース呼び出しを実行できます。初期セグメントをデータベースにロードする際には、処理オプションが 'L' の PCB は必要はありません。

Zeroload のデータベース名

ゼロロードを実行した後、出力 dbdname.DAT および .IDX ファイルは、データベース セグメント データおよびセグメント ポインターの初期化されたデータ ファイルです。専用データベース データ ファイルは、IMS プロジェクト設定の専用設定によって示された場所にあります。設定されていない場合、これらのファイルはプロジェクト DATA ディレクトリに置かれます。Fileshare データベースの場合は、共有更新 IMS プロジェクト設定によって Fileshare Server が指定され、オプションとしてドライブまたはディレクトリ (あるいはその両方) が指定されます。

2 次索引データ ファイルの名前は、XDFLD の LCHILD 名にサフィックスとして .DAT および .IDX を付けたものになります。これらのファイルには、2 次索引キーおよび 1 次物理データベースへのポインターが含まれます。これらのファイルは、1 次データベース ファイルと同じディレクトリ内にあります。

データベース ファイルは、ファイル操作用の標準オペレーティング システム コマンドまたはユーティリティを使用してコピー、移動、名前変更、または削除することができます。これらのアクションは、.DAT.IDX の両方のファイル コンポーネントに対して実行する必要があります。同じアクションをすべての 2 次索引の .DAT および .IDX コンポーネントに適用する必要があります。物理データベースが論理的に他のデータベースに関連付けられている場合は、関連データベースのセットに対するファイルすべてをアクションの対象にする必要があります。

DBD NAME=TEST01DD, 
    ACCESS=(HIDAM,VSAM) 
SEGM NAME=TESTHDRS,PARENT=0,
     BYTES=120
FIELD NAME=(SEQFIELD,SEQ,U),
      BYTES=1,START=4
FIELD NAME=REQ,
      BYTES=20,START=5
LCHILD NAME=(TESTHDRI,TEST01PD),PTR=INDX
LCHILD NAME=(TESTHDRX,TEST012D),PTR=INDX
XDFLD NAME=XSEQ,SRCH=REQ

Zeroload への名前入力は TEST01DD です。主索引 TEST01PD または 2 次索引 TEST012D をゼロロードしようとすると、エラー メッセージが表示されます。

1 次データベース用の結果データベース ファイルは、TEST01DD.DAT および TEST01DD.IDX です。

HIDAM データベースの主索引に対する特殊なデータ ファイルはありません。索引は、これらのデータ ファイル内に自動的に含まれます。

2 次索引 TEST012D 用の結果データベース ファイルは、TEST012D.DAT および TEST012D.IDX です。

このデータベースを別のディレクトリにコピーする場合は、上記 4 つのファイルをすべてコピーします。削除、バックアップ、またはその他の操作を行う場合は、上記 4 つのファイルのそれぞれに対して同じアクションを実行してください。