イメージの作成
Enterprise Developer for Eclipse ユーザー向け (Windows):
Windows では、CICS コンテナー デモンストレーションには、デモンストレーションのイメージを作成するプロセスができるだけ簡単になるように設計されたバッチ ファイル (bld.bat) が含まれています。本トピックでは、bld.bat の実行時に指定できるパラメーターについて説明します。
バッチ ファイルを実行して CICS コンテナー イメージを作成するためのコマンドは次のとおりです。
bld.bat IacceptEULA { {dn|x64|x86} [debug] |
rmi }
bld.bat IacceptEULA [hotfix hotfix.exe] [verbose] [usemcr]
[dotnetver a.b.c] [java^|openjdk] [javaversion nn]
[showverinfo] [memlimit nnG] [nomemlimit] [installloc]
Enterprise Developer for Eclipse (UNIX) または Enterprise Developer UNIX Components を使用する場合:
UNIX では、CICS コンテナー デモンストレーションには、デモンストレーションを実行するプロセスができるだけ簡単になるように設計されたシェル スクリプト (bld.sh) が含まれています。本トピックでは、bld.sh の実行時に指定できるパラメーターについて説明します。
シェル スクリプトを実行して CICS コンテナー デモンストレーションを実行するためのコマンドは次のとおりです。
./bld.sh IacceptEULA
[dryrun]
[esadmgid=admin-gid]
[esadmuid=admin-uid]
[esadminuser=admin-id]
[hotfix=tar-file-name]
[nojava | (java | oraclejava) [javaversion=java-version]]
[login|nologin]
[logingid=login-gid]
[loginid=login-id]
[logingname=login-gname]
[loginname=login-name]
[notools]
[odbc|odbc-dev]
[package]
[rmi]
[settings]
[verbose]
bld.bat および bld.sh で使用するパラメーターは次のとおりです。
- installloc
- 指定しない場合は、デフォルトのパスが使用されます。
- debug
- CICS アプリケーションを実行するだけでなく、デバッグも行えるように指定します。debug を指定すると、Dockerfile の代わりに Dockerfile.debug が実行されます。
- dn
- CICS アプリケーションを .NET 環境で実行するように指定します。dn を指定すると、Dockerfile の代わりに Dockerfile.dn が実行されます。
- x64
- 結果として作成されるイメージが 64 ビットのイメージであることを指定します。x64 を指定すると、Dockerfile の代わりに Dockerfile.x64 が実行されます。
- x86
- 結果として作成されるイメージが 32 ビットのイメージであることを指定します。x86 を指定すると、Dockerfile の代わりに Dockerfile.x86 が実行されます。
- rmi
- 以前に作成した CICS コンテナー デモンストレーション イメージを削除するように指定します。rmiを指定すると、すべての CICS コンテナー デモンストレーション イメージが削除されるまで docker rmi --force または podman rmi --force コマンドが複数回実行されます。
- IacceptEULA
- Micro Focus エンドユーザライセンス契約 (EULA) に同意することを示します。IacceptEULAを指定しない場合、イメージは作成されません。
- dryrun
- bld.sh で Docker または podman コマンドが実行されないように指定します。dryrun を verbose パラメーターとともに使用すると、Docker または podman コマンドを実行せずに表示できます。
- esadminuser=admin-id
- Enterprise Server の管理者ユーザーに使用する ID を指定します。
- esadmgid=admin-gid
- Enterprise Server の管理者ユーザーに使用するグループ ID を指定します。
- esadmuid=admin-uid
- Enterprise Server の管理者ユーザーに使用するユーザー ID を指定します。
- hotfix=tar-file-name
- このオプションは、Patch Update 版のインストール専用です。前述のように、インストール可能な実行可能ファイル (.tar) の名前を指定します (拡張子は付けません)。例: hotfix=setup_visualcobol_devhub_for_docker_8.0_patchupdate03_312109_ platform_x64
- java
- Adoptium の OpenJDK が提供している Java サポートをイメージに含めるように指定します。javaversionパラメーターを使用して、サポートする Java のバージョンを指定します。
- javaversion=java-version
- oraclejavaパラメーターと組み合わせて指定すると、java-version はサポートする Java のバージョン (8 または 9) を指定します。それ以外の場合、javaパラメーターと組み合わせて指定すると、java-version は 8 または 10 から 18 までのいずれかになります。
- login
- ログイン イメージを作成するように指定します。このオプションを使用すると、ログインできるイメージが作成されます (ログインに使用する詳細は、logingid、loginid、logingname、loginnameの各パラメーターで指定します)。このイメージにログインすると、シェルまたは Enterprise Developer のコマンドを実行できます。
このオプションは、ベース イメージにアプリケーション ファイルを追加しない場合にベース イメージから Enterprise Developer のコマンドを使用するのに便利です。
login を指定すると、作成されたイメージのタグに「_login」というサフィックスが付きます。
- logingid=login-gid
- loginid パラメーターで指定したユーザーに使用するグループ ID を指定します。
- loginid=login-id
- ログイン イメージに使用するユーザー ID を指定します。
- logingname=login-gname
- loginid パラメーターで指定したユーザーに使用するグループ名を指定します。
- loginname=login-name
- loginid パラメーターで指定したユーザーに使用するユーザー名を指定します。
- nojava
- ベース イメージに Java をインストールしないように指定します。すでにいくつかのバージョンの Java がシステムに含まれており、無駄にバージョンを増やしたくない場合に使用できます。
- nologin
- ログイン イメージを作成しないように指定します。通常、Enterprise Developer のベース イメージだけでなくアプリケーションも含むイメージを作成する場合に使用します。これはデフォルトの設定です。
- notools
- デフォルトでイメージに含まれる IP ツール (ping や netcat など) を含めないように指定します。これらのツールが不要で、イメージのサイズを最小限に抑えたい場合に使用します。
- odbc|odbc-dev
- odbc ランタイム ライブラリまたは odbc 開発者ツール ライブラリをインストールするように指定します。(UNIX/Linux プラットフォームのみ)
- oraclejava
- Oracle JDK が提供している Java サポートをイメージに含めるように指定します。javaversionパラメーターを使用して、サポートする Java のバージョンを指定します。
- package
- このイメージの COBOL アプリケーションをリビルドするように指定します。
- settings
- イメージのさまざまなプロパティに使用される設定が画面に表示されます。表示されるプロパティは、Enterprise Developer のインストール可能なファイルとライセンス ファイルの名前、Enterprise Server の管理者ユーザーに使用される詳細、およびログイン イメージに使用される詳細です。settings を指定してもイメージは作成されません。
- verbose
- Docker または podman コマンドが実行時に画面に表示されます。
アプリケーション コードのビルド
- コマンド ウィンドウでこの例のフォルダーに移動します。
- アプリケーション コードをビルドするには、次のように入力します。
bld x64
デモンストレーションの実行
docker run または podman run コマンドを使用して、CICS コンテナー デモンストレーションで作成されたイメージを実行できます。コンテナーのエンタープライズ サーバーを管理するには、ESCWA インターフェイスを使用します。
x86 acctdemo イメージを実行するには、次のように入力します。
docker run -p 16002:10086 -p 9040-9060:9040-9060 -p 9000-9010:9000-9010 -ti --network="nat" --rm microfocus/edbuildtools-acctdemo:win_8.0_x86
x64 acctdemo イメージを実行するには、次のように入力します。
docker run -p 16002:10086 -p 9040-9060:9040-9060 -p 9000-9010:9000-9010 -ti --network="nat" --rm microfocus/edbuildtools-acctdemo:win_8.0_x64
イメージを使用するには、次の手順を実行します。
- コンテナーの IP アドレスを見つけます。これには、次のコマンドを使用できます。
docker inspect -f "{{ .NetworkSettings.Networks.nat.IPAddress}}" <container id>
ここで、<container id>は、実行時に各コンテナーに割り当てられる長い番号です。最初の 4 から 5 文字だけを入力して、省略することもできます。
- 上記の IP アドレスおよびポート 9004 (x64 イメージの場合は 9040) を端末エミュレーターのポートに設定します。
- 端末エミュレーターのポートに接続し、ACCT トランザクションを実行します。
- ホスト マシンから、用意された JCL を ESCWA でサブミットし、その出力を SPOOL ページから確認することもできます。
ブラウザーから ESCWA にアクセスするには、
http://localhost:16002という URL を使用します。このポート パラメーターは、イメージの実行時に指定した URL です。
-p 16002:10086