移植性のある Terminfo ユーティリティ mftic および mfinfocmp

UNIX オペレーティング システムを使用すると、システムに接続されているすべての端末からの端末入出力を、アプリケーションで処理できます。これは、システムに接続されている端末のタイプや機能が異なる場合でも可能です。これを実現するため、UNIX オペレーティング システムでは、端末のタイプのデータベースである、Terminfo データベースが使用されます。このデータベースには、端末タイプごとのファイルが含まれています。それぞれの terminfo ファイルには、ファイル名と同じ名前の端末タイプの機能の詳細情報が格納されています。詳細情報は、terminfo のエントリで指定されている形式で翻訳された、機械語で格納されます (詳細については、ご利用のオペレーティング システムのドキュメントを参照してください)。この詳細情報には、最初に一般的な部分が記載され、次にベンダー固有の部分が記載されます。

各ベンダーの UNIX で一般的に提供されるのは、terminfo の「ソース」ファイルに指定された判読可能なパラメーターから terminfo ファイルを作成するユーティリティ tic、および翻訳された terminfo ファイルから terminfo ソース ファイルを作成するユーティリティ infocmp です。どちらのユーティリティでも、terminfo ファイルはベンダー固有の形式とされます。

この COBOL システムでは、Terminfo データベースを使用して、ユーザー アプリケーションで要求されるすべての端末入出力を処理します。COBOL システムでは、terminfo ファイルの一般的な部分を使用し、ベンダー固有の部分は無視します。この COBOL システムでは、指定できる端末の機能のうち、一部のみを使用します。この中には必須の機能もあれば、省略可能な機能もあります。

ベンダーの異なる UNIX を実行している、端末タイプが同じ 2 つのマシンを追加し、同じ COBOL アプリケーションを実行できます。この COBOL システムでは、どちらのマシンでも同じ terminfo ファイルが使用できます。ただし、UNIX ベンダーが、terminfo ファイルの一般的な部分に関する標準に従っていない場合や、他の UNIX ベンダーと矛盾するベンダー固有の部分を terminfo ファイルに追加した場合は、この機能を使用できないことがあります。

システム ユーティリティ tic および infocmp の代わりに、COBOL システム ユーティリティ mftic および mfinfocmp を使用すると、この問題を解決できます。どちらの COBOL ユーティリティも次の 2 種類のモードで操作できます。

Micro Focus モードでは、terminfo ファイルの形式は、標準の一般的な部分だけで構成されているものとして扱われ、この COBOL システムで認識できる機能のみがエントリされているものとして動作します。この形式は、異なるバージョンの UNIX 間で完全に移植性がありますが、非 COBOL のアプリケーションで必要とされる機能のすべては定義できない可能性があります。

UNIX ベンダー固有のモードでは、terminfo の形式が、システムの tic および infocmp ユーティリティと完全に互換性があるものとして動作します。この形式は、一般に、異なるバージョンの UNIX 間では移植性はありませんが、非 COBOL アプリケーションで使用できるすべての機能を定義することができます。

ご利用の環境でサポートされる機能を含む、terminfo ソースおよびバイナリの形式に関する詳細については、ご利用のオペレーティング システムのドキュメントを参照してください。Micro Focus COBOL システムで必要な必須の端末機能については、「画面処理条件」を参照してください。