Visual COBOL 7.0 の新機能

Visual Studio Code 向けの Micro Focus COBOL 拡張

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Visual Studio Code 向けの新しい Micro Focus COBOL 拡張が Microsoft Visual Studio Marketplace で提供されています。これは、Visual COBOL および Enterprise Developer のユーザー向けに Visual Studio Code での編集、コンパイル、およびデバッグのサポートを提供します。

注: 新しい Micro Focus COBOL 拡張は、Visual COBOL のインストーラーには含まれていません。

.NET Core のサポート

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dotnet コマンドを使用した .NET Core プロジェクトの作成、ビルド、および実行がサポートされるようになりました。この新しいサポートは、IDE で .NET Core プロジェクトを操作する機能の一環として導入されたものです。

COBOL 言語の機能拡張

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Micro Focus COBOL 言語の強化点は次のとおりです。

  • .NET COBOL データ型での UTF-8 文字の文字列の保持 - PIC U データ型が .NET COBOL でサポートされるようになりました。これは、IBM の Enterprise COBOL バージョン 6.3 で導入された機能に対応したもので、ネイティブ COBOL ではすでにサポートされています。
  • 実行時に長さが変化する可変長のデータ項目として指定できる DYNAMIC LENGTH 句がサポートされています。上記と同様、これも IBM の Enterprise COBOL バージョン 6.3 で導入された機能に対応したものです。
  • 日付形式をチェックする組み込み関数として、TEST-DATE-YYYYMMDD および TEST-DAY-YYYYDDD が追加されています。

コード分析

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このリリースの強化点は次のとおりです。

  • [Get Direct References] コマンド - このコマンドを使用すると、ファイルを変更したときに、プロジェクト内の他のファイルやアプリケーション全体のファイルに影響するかどうかを確認できます。Visual Studio では、ソリューション エクスプローラーの COBOL ファイルのコンテキスト メニューまたは [Analysis Server] ウィンドウからこのコマンドにアクセスできます。
  • データ フロー分析がツリー ビューとグラフ ビューの両方で利用できるようになりました。
  • コード分析機能が手続き型マルチ出力プロジェクト (.NET Framework) タイプで使用できるようになりました。

コード セット サポート

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統合コード セット変換のサポートについて、次の点が強化されています。

  • Enterprise Server アプリケーションのアラビア語のサポートが追加されました。

    Enterprise Server アプリケーションにアラビア語のサポートを組み込む場合、端末エミュレーターがアラビア語の EBCDIC 420 コード ページをサポートしている必要があります。

    サポートを追加するには、アプリケーションをビルドし、MFCODESET 変数をサポートされている国別コード (0420) に設定してエンタープライズ サーバー リージョンを構成します。製品に組み込まれているコード セット変換ユーティリティにより、エンタープライズ サーバー リージョンの ASCII 1256 アラビア語コード ページと、アラビア語の EBCDIC 420 コード ページをサポートする端末エミュレーター (IBM の Personal Communications エミュレーターなど) の間の変換が実行されます。

    アラビア語のような双方向言語については、操作に関していくつかの考慮事項があります。「アラビア語のサポートに関する考慮事項」を参照してください

コンパイラ指令

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このリリースでは、次のコンパイラ指令が新たに追加されました。

  • PANVALET-INCLUDES-IN-COMMENTS - この指令は、コメント内の ++INCLUDE 文を実行するかどうかを制御します。
  • EXECSQL-FLAG - この指令は、構文レポートで DB2 プリプロセッサの構文をエミュレートするか、DB2 コプロセッサの構文をエミュレートするか、両方の構文のすべてのバリエーションを許可するかを定義します。
  • RM-FILE-ERRORS - この指令は、FILE STATUS 句が存在する場合でも、特定のファイル条件に対してランタイム システム エラーを生成します。これは、RM/COBOL の動作をエミュレートするためのものです。

次のコンパイラ指令オプションは非推奨になりました。

  • ILCLR(2) - .NET Framework のバージョン 3.0 および 3.5 のサポートが非推奨になったため、このオプションは非推奨になりました。このオプションが設定されているアプリケーションを本リリースの Visual COBOL でコンパイルすると、E レベルのメッセージが生成されます。

コンテナー サポート

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Visual Studio でのコンテナーのサポートについて、次の点が強化されています。

  • Visual Studio でネイティブの Micro Focus Unit Testing プロジェクトに Dockerfile を追加し、コンテナーでテストを実行できるようになりました。
  • Docker をサポートするプロジェクトに [Containers] プロパティ ページが追加されました。ここでは、次の操作を行うことができます。
    • イメージのビルド、デバッグ、および実行の引数について、プロジェクトの Dockerfile で指定された引数をオーバーライドする引数を指定する。
    • イメージのビルド時に適用されるすべてのコマンドライン引数を確認する。
    • コンテナーの実行時やコンテナーで実行されるアプリケーションのデバッグ時に適用される引数を確認する。
  • [Add COBOL Docker Support] ダイアログ ボックスに、使用可能なすべてのイメージが表示されるようになりました。この製品スイートの Patch Update リリースで提供されるイメージもサポートされます。

    [Runtime Image] と [Built Tools Image] のバージョンは一致する必要があるため、ダイアログ ボックスの [Built Tools Image] には、ランタイムのバージョンと一致するイメージのみが表示されます。たとえば、Patch Update 1 のビルド ツール イメージを使用する場合、ダイアログ ボックスには Patch Update 1 の関連するランタイム イメージのみが表示されます。

    ダイアログ ボックスには、インストールされている製品のメジャー リリース バージョン (またはその Patch Update) に一致するイメージのみが表示されます。ターゲットのプラットフォーム (x64 または x86) も同じである必要があります。別のメジャー製品バージョンのイメージを指定する場合は、Dockerfile を手動で編集する必要があります。

データベース アクセス - OpenESQL

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このリリースの強化点は次のとおりです。

  • OpenESQL の新しいオプション TRACELEVEL=5 - ネイティブの OpenESQL アプリケーションでデータベース ベンダーの ODBC ドライバーの ODBC 呼び出しをトレースし、各呼び出しの実行の開始時刻と停止時刻を記録できるようになりました。OpenESQL トレースで、OpenESQL のレイヤーまたは基盤となる ODBC ドライバーのレイヤーにおいて SQL アプリケーションが実行に時間を費やしている場所に関する詳細が提供されるようになりました。

データファイル ツール

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このリリースでは、データファイル エディタが次のように強化されています。

  • データ セットを操作するための新しいデータ エクスプローラー - 新しいデータ エクスプローラーで、ESCWA サービスに接続するか、エンタープライズ サーバー リージョンに直接接続して、エディターでデータ セットを操作するときにカタログにアクセスできます。
  • 複数のレコードの選択 - 複数のレコードを選択でき、必要に応じて、一度に複数のレコードに対して特定のアクションを実行できます。
  • 切り取り、コピー、および貼り付けの機能 - 従来の切り取り、コピー、および貼り付けの機能 (標準のショートカット Ctrl+X、Ctrl+C、および Ctrl+V を含む) がエディター全体で使用できるようになりました。
  • 新しいフィルターの作成 - フィルターを作成するための新しいプロセスが導入されました。1 つ以上の条件のセットで構成されるフィルターを使用して、選択されたレコードを結果のフィルターに含めるか除外するかを指定できます。以前のフィルター プロセスも引き続き使用できますが、非推奨としてマークされます。
  • リモートのフィルター処理 - リモートのエンタープライズ サーバー リージョンのデータ セットを開く際にサーバー側でフィルター処理を実行できるようにする機能が Fileshare サーバーに組み込まれました。このフィルター処理により、フィルター処理されたレコードのみがデータファイル エディタ クライアントにダウンロードされます。
  • 検索と置換の機能 - データ ファイル内のレコードを検索して特定の文字列を識別し、必要に応じてそれらを置換できます。

Enterprise Server

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このリリースの強化点は次のとおりです。

  • 複数のネットワーク インターフェイスのサポート - 一部のコンポーネントで複数のネットワーク インターフェイスのサポートが改良され、ネットワーク インターフェイスの認識やネットワークの制御などが向上しています。これは実装の一部であり、将来のリリースで拡張される予定です。
  • IPv6 のサポートの拡張 - Micro Focus Directory Server (MFDS) および Micro Focus Communications Server (MFCS) のリスナーで複数の IPv6 アドレスがサポートされるようになりました。

    リリース 6.0 では、MFDS および MFCS のリスナーについて、単一の IPv6 アドレスをリッスンするようにのみ構成できました。リリース 7.0 では、MFDS および MFCS が、構成されているすべての IPv4 および IPv6 アドレスをデフォルトでリッスンするようになりました。また、特定のアドレスの組み合わせをリッスンするように構成することもできます。

  • HTTP の強化:
    • セキュリティ関連のヘッダーなど、HTTP 用の追加のセキュリティ対策が導入されました。
    • 大きな HTTP メッセージのチャンクがサポートされ、エンタープライズ サーバー リージョンから非常に大きなファイルを取得できるようになりました。
  • Enterprise Server のアプリケーション診断レポート - アプリケーション診断レポートにより、多数のレポート、トレース、およびログ ファイルが収集され、1 つのレポート ファイルにパッケージ化されます。詳細については、「Enterprise Server のアプリケーション診断レポート」を参照してください。
  • Enterprise Server で、マルチインスタンス キュー マネージャー内のスタンバイ キュー マネージャーへの自動再接続がサポートされるようになりました。詳細については、「マルチインスタンス キュー マネージャー内の MQ サーバーへの再接続」および「Enterprise Server XA の再接続」を参照してください。
  • PAC 全体でジョブをディスパッチする際のイニシエーターの使用が適切になるように casmgr プロセスが最適化されました。さらに、ディスパッチを待機しているジョブのキューを管理する方法も改良されています。
  • PAC 環境に対してパッチ更新を実行する際のベスト プラクティスおよび推奨アプローチに関する情報が追加されました。詳細については、「PAC 環境に対するパッチ更新の実行」を参照してください。

Enterprise Server Common Web Administration (ESCWA)

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このリリースの強化点は次のとおりです。

  • MFDS ユーザー インターフェイスの機能の使用 - ESCWA が、IDE 内の MFDS に代わり、リージョンへのアクセスと管理を提供するエンジンとして使用されるようになりました。ESCWA は、以前に MFDS から利用できたすべての機能を提供します。このリリースの強化点は次のとおりです。
    • すべてのリージョンの削除。
    • セッション リスト。
    • リッスンするアドレスの更新。
  • ESMAC ユーザー インターフェイスの機能の使用 - ESMAC の次の機能が ESCWA に実装されました。
    • リソースのフィルター処理。詳細については、「CICS リソース」を参照してください。
    • ミリ秒のサポート。詳細については、「しきい値」、「Monitor」、および「アクティブな PCT」を参照してください。
    • タイムアウト、トレース フラグ、およびメモリ ストラテジに対するすべての変更について、それらを PAC のリージョンに適用する際の範囲の制御。詳細については、「[ES Control]」を参照してください。
    • アプリケーション診断レポートの有効化。詳細については、「[ES Control]」および「Enterprise Server のアプリケーション診断レポート」を参照してください。
    • CASRDO44_NEWSUB=OFF が指定されている場合の JES の [Control] ページからのローカル ジョブの送信。詳細については、「[JES Control]」を参照してください。
    • 保留中の ACCEPT FROM CONSOLE 文の確認と応答。詳細については、「保留中の応答」を参照してください。
    • JCL ジョブの送信後のメッセージが正しい JSON 形式になりました。このページが、MFJUXIT が有効になっている場合に ESCWA で機能するようになりました。
  • リージョンのインポート、エクスポート、およびコピー - UI を使用してさまざまな形式 (JSON など) でリージョンをエクスポートおよびインポートできるようになりました。次のことを実行できます。
    • ディレクトリ サーバー間でリージョンをコピーする。
    • JSON、XML、または従来の .dat 形式でリージョンをインポートおよびエクスポートする。従来の形式から新しい形式に変換できます。
  • Mainframe Access (MFA) の管理 - ESCWA で最新の Web UI が提供され、端末アプリケーションを別途使用する必要はありません。次の機能があります。
    • MFA にログインまたはログアウトする。
    • MFA のパスワードを変更する。
    • MFA サーバーのタスクを確認する。
    • XDBOUT ログを取得する (Web UI)。
    • JES スプール ファイルを DD 名で取得する (API)。
    • MFA および JES のトレース レベルを設定する。
    • アクティブな MFA ユーザーを確認する。
    • アクティブなユーザー セッションを無効にする。
    • メインフレーム/MFA の統計情報を確認する。

    詳細については、Enterprise Server Common Web Administration の章の「メインフレーム」を参照してください。

    MFA API ライブラリが公開され、提供されている要求をテストおよび使用できるようになりました。詳細については、「MFA 対話型 API ライブラリ」を参照してください。

  • スケールアウト と PAC の管理 - 次のことを実行できるようになりました。
    • Redis Sentinel およびクラスターをスケールアウト リポジトリに使用している場合にそれらのインスタンスを監視する。
    • タイムアウト、トレース フラグ、およびメモリ ストラテジに対するすべての変更を次の 3 つのいずれかに適用するように指定する。
      • ローカルのリージョンのみ。
      • ローカルの変更が加えられたリージョンを除く PAC のすべてのメンバー。
      • PAC のすべてのメンバー。

      これは、ESCWA を使用して、[ES CONTROL] ページの [Apply Scope] フィールドで構成できます。また、casutl ユーティリティで /w オプションを使用することもできます。詳細については、「casutl」を参照してください。

  • マルチネットワーク インターフェイス カードのサポート - Communications Server およびリスナーが複数の IPv4 および IPv6 アドレスをリッスンするように ESCWA で構成できるようになりました。以前は、すべての IPv4 アドレスか単一の IPv4 または IPv6 アドレスのいずれかに制限されていました。現在は、次の任意の組み合わせを使用できます。
    • 1 つ以上の特定の IPv4 アドレス。
    • 1 つ以上の特定の IPv6 アドレス。
    • すべての IPv4 アドレス。
    • すべての IPv6 アドレス。
  • 次の ESCWA および ESMAC の次のリソース リストのモジュールに、新しいフィルター フィールド resFilter が追加されました。
    • [By Type] のすべてのリソース
    • [By Start L] のすべてのリソース
    • [Groups] のリソース リスト
    • [Locks] を除くすべてのアクティブなリソース タイプ

    このパラメーターは、ESCWA および ESMAC で表示されるリソースのリストをフィルター処理します。さらに、表示されるレコード数の制限を指定できる新しい環境変数 ES_RDO_MAX_RESOURCES が追加されています。JSON 要求の切り捨てられたリストは、JSON のプロパティ "truncated": true を追加して示されます。

Enterprise Server セキュリティ

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このリリースの強化点は次のとおりです。

  • MLDAP ESM のキャッシュ - MLDAP ESM モジュールで、LDAP 検索結果キャッシュが実装されました。これは、セキュリティ マネージャーの既存のキャッシュ設定で制御されるため、多くのインストールで自動的にアクティブになります。詳細については、製品ヘルプを参照してください。
  • HashiCorp Vault のサポート - HashiCorp KV2 Vault サーバーをローカルまたはリモートの Vault として使用できるようになりました。

ライブラリ ルーチン

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次のライブラリ ルーチンが新たに追加されています。

  • CBL_GET_ERROR_INFO - エラーが発生した場所をエラー処理ルーチンで特定して、エラー処理ルーチンを実行できるようにします。これは、限られたプラットフォームでのみ使用できます。

ライセンス

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AutoPass ライセンス テクノロジ

本リリースでは、Micro Focus 独自の Micro Focus AutoPass ライセンス テクノロジを Sentinel RMS に加えて導入しています。AutoPass には、Sentinel RMS と比較して次のような追加の利点があります。

  • 製品の使用状況を監視できる利用状況ログ。これを利用するには、AutoPass ライセンス サーバー をインストールする必要があります。
  • この製品が利用可能なすべてのプラットフォームの継続的なサポート。

次の機能があります。

  • このリリースをインストールすると、AutoPass デーモン および Sentinel RMS ライセンス マネージャー の両方がインストールされます。どちらも Micro Focus License Administration ツールで使用できます。
  • AutoPass および Sentinel RMS の両方のライセンスを同じマシンにインストールできます。必要に応じて、使用しないライセンス テクノロジをオフにすることができます。
  • Visual COBOL または Enterprise Developer 製品の既存のユーザーの場合、AutoPass ライセンスが必要になるのは、利用状況ログを使用する場合と Sentinel RMS がサポートされていないプラットフォームで製品を使用する場合のみになります。
  • Micro Focus COBOL 製品の新規のユーザーの場合、通常は AutoPass ライセンスが発行されます。
  • MicroFocus では、本製品の今後のリリースでも引き続き Sentinel RMS を提供します。

コマンド ラインでのライセンスのインストール

Windows では、Micro Focus License Administration をコマンド ライン ユーティリティとして使用できるようになりました。

AutoPass と利用状況ログ、および Micro Focus License Administration の詳細については、「ライセンスの管理」を参照してください。

Micro Focus Unit Testing Framework

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Micro Focus Unit Testing Framework の強化点は次のとおりです。

  • プログラムと単体テストの間の継ぎ目として機能する MFUPP プリプロセッサが導入されました。これにより、テスト対象のプログラムの内部にアクセスして、段落または節から詳細な単体テストを作成できます。MFUPP プリプロセッサは、プログラムまたはスタブ プログラムをモックアウトして単体テストを作成する機能も提供します。

Visual Studio との統合

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このリリースでは、次の各項目が強化されています。

エディター

  • コード クリーンアップ - COBOL のフォーマット処理で適用できるさまざまなコード クリーンアップ オプションが Visual Studio でサポートされるようになりました。これらを使用すると、既存のコードを更新したり、新しいコードに特定のキーワードや演算子の規則を適用したりできます。
  • EditorConfig ファイルのサポート - コード スタイルを設定する .editorconfig ファイルを IDE で作成し、組織内でファイルを共有してコードの一貫性を確保できるようになりました。