識別または正準エンコーディング規則

エンコーディング規則のセットでは、明らかに、特定のビット パターンは 1 つだけの ASN.1 データ構造に対応している必要があります。そうでない場合、メッセージを受け取るソフトウェアは、どのデータ構造としてビット パターンを解釈するかを認識できません。ただし、その逆は必ずしも同様ではありません。異なるビット パターンが同じ ASN.1 データ構造を表すことができる場合でも、あいまいさは生じません。

しかし、一部のアプリケーションでは、異なるビット パターンが同じ ASN.1 データ構造を表すことができる場合、問題が発生します。このようなアプリケーションでは、各 ASN.1 データ構造が 1 つだけのビット パターンに変換される (逆も同様) エンコーディング規則のセットを使用することが推奨されます。これは、セキュア通信に特に当てはまります。メッセージにデジタル署名する場合、意味的に同等のメッセージではそのエンコーディングが常に同じである必要があるからです。

そのようなエンコーディング規則のセットは正準と呼ばれ、区別されます。このような規則のセットは 2 つ開発されています。1 つは識別エンコーディング規則 (DER) と呼ばれ、もう 1 つは正準エンコーディング規則 (CER) と呼ばれます。CER は普及しておらず、ほとんど使用されません。ただし、DER を含むファイルの標準ファイル拡張子は .cer になります。

OpenSSL のドキュメントでは、DER 形式で格納されたデータについて言及することがよくあります。