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kyodoprinting

案件ごとにプログラム開発が必要なビジネスフォーム印刷
COBOLと .NETの“いいとこどり”開発により、開発生産性2倍を実現

雑誌・書籍などの出版印刷から一般商業印刷、生活・産業資材、高級美術複製画まで、あらゆるジャンルの印刷を手がける総合印刷会社 共同印刷株式会社は、埼玉県比企郡にビジネスフォームやデータプリントなど情報処理関連業務の専門センターを展開しています。この業務は元々メインフレームで行っていましたが、近年、オープン系システムのデータを顧客から提供されることが増え、それをメインフレームで出力処理するのに困難が生じてきていました。
同社はオープンシステム開発環境の構築を決断し、Windowsでシステムを再構築するプロジェクトが立ち上がりました。そこで、COBOLと .NETの“いいとこどり”開発ができる統合開発環境 Micro Focus Visual COBOLが採用されました。新しい環境の整備により、プログラム開発工数が半減するなど開発生産性が大きく向上し、短納期のニーズにも余裕を持って応えられるようになりました。さらに、この環境のバックアップシステムも確立され、急務だったBCP(事業継続計画)対応も完了することができました。

 

The Company

共同印刷株式会社は、雑誌・書籍などの出版印刷から一般商業印刷、生活・産業資材、高級美術複製画まで、あらゆるジャンルの印刷を手がける総合印刷会社です。1897年の創業以来、絶えず最新の印刷技術を追求しながら多様な製品・サービスを開発、「印刷事業を核に、生活・文化・情報産業として社会に貢献する」を経営理念に、成長を続けてきました。

埼玉県比企郡川島町にある同社川島ソリューションセンターは、2001年に開設された、ビジネスフォーム印刷やデータプリントサービスなどの情報処理関連業務を行う専門センターです。個人情報を扱う業務であるため、ISO9001やプライバシーマーク、ISO27001などの認証を取得し、高い情報セキュリティ体制を構築。それとともに、封入・封緘・仕分け・発送などの後加工工程も手厚くサポートし、その多くを自動化しています。サービスが充実し処理も迅速であることから、民間企業はもちろん、官公庁、地方自治体などからも高い信頼が寄せられています。

The Challenge

ビジネスフォームやデータプリントサービスの製造は、同社ビジネスメディア事業部のシステム推進部が顧客との打ち合わせで帳票の仕様を詰め、顧客から物理媒体でデータを受け取るところから始まります。その都度データを受け取るのはセキュリティを考慮してのこと。同部システム開発課が設計仕様に基づいてプログラムを開発、データを取り込みながらバッチ処理で帳票を業務用大型高速プリンターで出力していきます。

事業をスタートした当時、顧客からのデータはメインフレームから出力されたもので、同社のコンピュータもメインフレームでした。メインフレームのメーカーや文字コードが異なっていても、ベースとなる言語はCOBOLであり、媒体にも一定の規格が存在、ファイルの形式も似通っていたため、やりとりに大きな問題はありませんでした。

しかし、ダウンサイジングの波とともに、顧客からWindows、LinuxやUNIX OSベースのデータが提供されるようになります。CSV形式のファイル、UNICODEを使って記述されたものなどは、メインフレームにそのまま投入できません。当初、システム推進部では取得したファイルに変換処理を施してからメインフレームに取り込み、出力業務を一本化していました。しかし、システム推進部での前処理業務の負荷はどんどん高くなっていきました。

このような入力時の課題に加え、出力時にも課題が生じていました。それはPDF文書の普及によるPDF出力ニーズです。従来、出力はメインフレーム対応大型高速プリンターが主流だったのですが、PDF文書として出力するならオープンシステムの方が適しています。

そこでシステム推進部では、オープンシステムのデータに関しては、オープンシステムで入出力業務を行うことを考えます。この構想のさらなる推力となったのが、東日本大震災でした。この震災をきっかけとしてBCP(事業継続計画)の強化気運が高まります。バックアップシステムを持つなら、オープンシステムの方が少ない投資で体制を整備することが可能でした。

The Solution

それでは、その出力処理の開発基盤をどう構成するか。システム推進部における主要開発言語はCOBOLだったので、COBOLであることは前提でした。挙がった候補は二つ。一つはメインフレームメーカーの提供するUNIXベースのCOBOL製品で、もう一つはWindowsベースのMicro Focus Visual COBOLです。

システム推進部は、検討の結果、後者を選択します。同部 システム開発課 課長 小川喜之氏は、次のように語ります。

「メインフレームメーカーの提案は、UNIXベースの自社ツール群で固められており柔軟性に欠けると感じました。われわれがオープンシステムで馴染んでいたのがWindows環境で、Micro FocusのCOBOL製品はここでも豊富な導入実績を持っていました。Windows環境の方が、顧客の求めに応じて何か新しいソリューションを導入しなければならないという場合でも選択肢が多く、拡張性が確保できるという利点もありました」

また、高く評価されたのは、最新のCOBOL統合開発環境である Micro Focus Visual COBOLによって.NET Framework 及びその上で数多くのISVが提供している豊富なクラスライブラリ資産を活用した開発が可能なことでした。小川氏は次のように続けます。

「オープンシステムでメインフレームと同じことができるというのはもちろん重要でしたが、何かプラスアルファがないか、と思っていた時にマイクロフォーカスのWebサイトで .NET Frameworkの活用をテーマとしたホワイトペーパーを発見、読んで『これだ』と思いました。いくつかの案件でVB.NET開発を経験して便利なメソッドが豊富にあることを知っており、これをCOBOLプログラムで活用して“いいとこどり”すれば開発生産性を上げられると考えたのです」

小川喜之氏

共同印刷株式会社
ビジネスメディア事業部 製造本部
システム推進部 システム開発課
課長 小川喜之

The Result

出力業務のオープンシステム環境構築プロジェクトは、2013年夏、特定顧客のBCP強化を目的にスタート。これでバックアップシステムの確立に一定の目処が立ちました。

続いて小川氏自身が既存のプログラム資産や新規案件を対象に、COBOLを.NET環境で活用しながら生産性を上げる開発を進めました。たとえば、宛名の後に「様」を挿入するというプログラムの場合、通常の手続き型の COBOL では 8 ステップかかるところを、Micro Focus Visual COBOLの.NET 向け MF 拡張のオブジェクト指向型構文を使えば1ステップで処理でき、効率化を図ることができたといいます。

小川氏は、よく利用するプログラムをテンプレート化したり、よく使うロジックをすぐ挿入できるようスニペットとしてVisual COBOL上に登録したりするとともに、システム開発課内で5名のVisual COBOLエンジニアを育成しました。元々メインフレーム開発者だった全員がWindows環境での開発の戦力となり、結果的に生産性は30%以上向上したそうです。

2015年、オープンシステムでの開発環境が本格稼働。これまでメインフレームで3日かかっていたプログラム開発工数が1日半と半減しました。印刷プロセスもメインフレームで一晩かかっていたものが2時間になるなど、短納期ニーズに余裕を持って応えられるようになりました。メインフレームに比べて、出力関連の運用負荷も大きく軽減されているといいます。

また、Windows環境で同社の社内標準として使われていた構成管理ツールを用いて、開発スピードを向上させながらプログラム品質を担保する開発体制を確立しました。

さらに、この環境をグループ会社の共同印刷西日本株式会社が運営する京都工場内に遠隔地バックアップ。有事の際には切り替えが可能となり、BCPレベルの向上にも成功しました。

同社が抱えていた課題を解決するためのオープン化プロジェクトでは、COBOLにも .NETにも精通した技術者がいたからこそ“いいとこどり”構想が生まれ、生産性の高い開発環境構築が実現しました。今後、システム推進部ではVisual COBOLエンジニアのさらなる育成を計画しており、人的リソースの活用と全員が新しい統合開発環境で高い開発生産性を享受することをめざしています。

Technical Keyword

COBOLと.NETの融合
メインフレームの処理プラスアルファをWindows環境で実現

ユーザープロフィール

共同印刷株式会社

本 社

東京都文京区

創 業

1897年6月25日

設 立

1925年12月26日

資 本 金

45億1,000万円

売 上 高

950億9,700万円(2016年3月期)

従 業 員 数

1,905名(2016年4月1日現在)

事 業 内 容

出版印刷、一般商業印刷、ビジネスフォーム印刷など総合印刷業

ユーザー事例(PDF版)

共同印刷株式会社 (783KB)