特長・機能【Micro Focus™ Enterprise Server

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特長一覧

1. 既存アプリケーション資産を活かしたメインフレームオルタナティブ

Enterprise Serverを使用したリホストでは、IBMメインフレーム上で稼働していた COBOL, PL/I, JCL, CICS, IMSアプリケーションのソースコード変更を最小限に抑えて再利用することができます。このため長年にわたって企業のビジネス活動を支えてきた実績のあるアプリケーションを低リスクでリホストすることが可能です。

2. ストレートなリホストによる迅速なコスト回収

既存のアプリケーション資産をそのまま再利用するため、低コストでリホストを行うことができます。このためコード変換によるマイグレーションに比較すると高い投資対効果が期待できます。

3. 将来のモダナイゼーションの布石

ストレートなリホストによって達成した短期的なコスト削減の結果を、長期の計画に基づくアプリケーション全体のモダナイゼーションへの投資に注入することができます。

4.コンテナ型仮想化に対応

Enterprise Server のベースイメージを提供しています。RHEL 7.4 以降、SLES 12 SP3 以降、Amazon Linux 2 では Dockerを、RHEL 8.0 以降では OCI 準拠コンテナツール(Podman など)の使用がサポートされています。コンテナ毎にライセンスを購入する必要がなく、コンテナが稼働する物理/仮想サーバーに割り当てたコア数分のライセンスを購入すればよいため、大規模ユーザーの求めるアジリティやスケーラビリティを高めます。

主な機能

1. IBMメインフレーム互換性COBOLランタイム

Enterprise Developer に内蔵されている COBOLコンパイラは、IBMメインフレームのクロス開発で半世紀にわたって活用されてきた実績があります。

Enterprise Serverが内蔵するCOBOLランタイムは、メインフレーム上の実稼働環境で使用する IBM製 COBOLコンパイラの各種バージョンに対して個別に高い互換性を持っています。

このため Enterprise Server へのマイグレーションでは、メインフレーム上で稼働していたアプリケーションは非常に高い確率で同様に動作します。

2. IBMメインフレーム互換性JESエンジン

Enterprise Server は、Linux/UNIX/Windows 上での JES互換ジョブ管理システムを提供します。JCL構文として、JES2, JES3 及び VSE環境からのリホストをサポートし、さらに以下のような IBM標準JCLユーティリティもサポートしています。

  • DFSORT / SORT – ソートマージ
  • FTP – データ転送ユーティリティ
  • IDCAMS – VSAMファイル管理
  • IEBCOMPR / IEBCOPY / IEBGENER / ICEGENER / IEBUPDTE – データセットユーティリティ
  • IEFBR14 – ダミー処理
  • IKJEFT01 / IKJEFT1B / IKJEFT1A – TSOコマンド実行
  • IRXJCL – REXXスクリプト実行
  • IEBDG – テストデータ作成

移行先 OS のコマンドを JCL から起動することができるプログラムの提供が可能なため、非標準の JCL ユーティリティの代替策を検討することもできます。

JESのカタログとスプールはLinux/UNIX/Windows ファイルシステムにマップされており、独自のカタログ・スプール管理によってメインフレーム上のジョブ実行と同等の実行結果をサポートします。データセットとしてはVSAM, SAMなどのIBM メインフレーム標準ファイルに加え、PDSや世代データセットもサポートしています。

3. IBMメインフレーム互換性CICSエンジン

Enterprise Server は、Linux/UNIX/Windows上での CICS互換OLTP システムを提供します。プログラミングインターフェイスとして、以下のような多くのCICSコマンドをサポートしています:

  • トランザクション管理 START/XCTL/SYNCPOINT/COMMIT/ROLLBACK
  • BMSマップ SEND/RECEIVE
  • データセット READ/WRITE/REWRITE/DELETE
  • キュー管理 TS/TD の READQ/WRITEQ/DELETEQ

メインフレーム環境に類似した CESN / CESF / CWTO などの豊富な既定義トランザクションをサポートし、さらにオープン環境固有の運用コマンドも装備しています。

CICSマイグレーションのステップ

CICSマイグレーションのステップ

CICS資源定義はホスト上でエクスポートされた CSDレポートをバッチでインポートするユーティリティを装備しています。いったんインポートされた資源定義は、Web管理コンソールを使用してオンラインでのメンテナンスが可能です。

他の Enterprise Serverや CICSとの分散トランザクションを可能とするシステム間通信 (ISC) もメインフレームと互換なプロトコルレベルでサポートしており、トランザクションルーティング / ファンクションシッピングが可能となります。

4. IBMメインフレーム互換性IMSエンジン

Enterprise Server は Linux/UNIX/Windows上での IMS互換DB/DCを提供します。CALLインターフェイス (CBLTDLI) と EXEC DLIコマンドの両方をサポートしており、既存COBOLプログラムをそのままバッチ (JCL) およびオンライン (IMSトランザクション) で実稼働させることが可能です。

IMS資源定義マクロ (DBD, PSB, MFS) もメインフレームで使用しているものをそのまま DBDGEN, PSBGEN, MFSGENユーティリティで GENして使用することができます。

IMSマイグレーションのステップ

IMSマイグレーションのステップ

IMSデータベースユーティリティを装備しており、ホストからアンロードされたデータベースのロード、セグメント作成、索引再構成などの作業を、対話型・コマンド起動・JCLサブミット・COBOL APIで利用することができます。

IMS/DC の実行においては、COMMIT/ROLLBACKによるデータベースリカバリ、DR時のロールフォワード、BMPチェックポイント/ リスタートなどのトランザクション管理をサポートしています。

5. データベース ファイル ハンドラ( MFDBFH)

アプリケーション記述に手を加えることなく、CICS 機能で使用するリソース定義ファイル、JES 機能で使用するスプールファイルやカタログファイル、ネイティブ COBOL で使用するデータファイルなどをデータベースに格納することができます。また、この機能を利用することにより、複数の Enterprise Server インスタンス間でファイルの共有が可能になります。

6. スケールアウト パフォーマンス / 可用性クラスター(PAC)

複数の Enterprise Server インスタンスを単一の論理エンティティとして連携しながら動作させることができます。この PAC 機能により、処理能力を高めながら負荷分散できるスケールアウトアーキテクチャを構成し、単一障害点(SPOF)を取り除き、可用性を高めることができます。また、MFDBFHを使用して複数インスタンスの管理を実現しています。

スケールアウト パフォーマンス / 可用性クラスター(PAC)

スケールアウト パフォーマンス / 可用性クラスター(PAC)